株式市場 stock market 2005 2 28

 今でも、日本の株式市場の危機的状態を救ってくれた外国人投資家には感謝しています。
2003年の前半、株式市場は、こういう状態でした。
多くの人が株価は底に達したと言った状態から、さらに底が割れて、
まるで「底なし沼」にいるような状態でした。
 しかし、2003年の後半から2004年にかけて、
外国人投資家は、毎年、数兆円の規模で、日本株を買い越し、
株式市場の「底なし沼」の状態を食い止めたのです。
つまり、株式市場にとって、外国人投資家は、救世主だったのです。
 それでも、こうした救世主の役割は、外国人投資家だったのかと思う時があります。
こうした救世主の役割は、国民ではなかったのか。
 かつて、日本では、株を、企業同士で持ち合いしていました。
たとえば、取引先同士で、株を持ち合いしたり、
取引銀行に大株主になってもらいました。
 こうすることで、経営者は経営に専念できるでしょうし、
外国企業からの買収を防ぐことができたでしょう。
 しかし、問題も発生しました。
企業同士で、株を持ち合いしていましたので、
経営に対する「監視や監督」というものが機能していない状態でした。
その結果、企業の不祥事が相次いだ時期がありました。
 そこで、こうした「株の持ち合い」は、
経営に対する「監視や監督」というものが機能しないので、
「株の持ち合い」は解消すべきであるという声が強くなりました。
 企業や銀行は、こうした声が強くなりましたので、
「株の持ち合い解消」を、積極的に進めました。
つまり、企業や銀行は、持っている株を積極的に売ることになったのです。
 当然、株価は下落します。
なぜならば、今まで存在しなかった「売り手」が、新しく増えたからです。
「売り手」が増えて、「買い手」がいないならば、株式市場は、「底なし沼」となります。
 そこへ、タイミングよく外国人投資家が現れて、救世主(買い手)となったのです。
これで、株式市場の「底なし沼」の状態が食い止められたのです。
その結果、日本企業の大株主は、外国人投資家になりました。
 はたして、これで、よかったのか。
こうした役割は、国民が演じるべきではなかったのか。
 もちろん、「株の持ち合い解消」は必要でしょう。
しかし、「株の持ち合い解消」をする時の「受け皿」を考えていなかったと言えるでしょう。
もしかすると、この「受け皿」は、始めから外国人投資家を想定していたのかもしれません。
あるいは、国民が、この「受け皿」になるように考えていたのかもしれません。
 しかし、人間は、急に変ることはできないのです。
「貯蓄から投資へ」というのは、机上の空論です。
今日まで貯金主義者の人が、明日から投資家になる。
これは、無理な話です。
こんな曲芸ができるのは、天才だけです。
 常識的には、投資家になるには、教育が必要です。
株式投資について、勉強する必要があるのです。
それには、数年かかるでしょう。
 だから、「今日まで貯金主義者の人が、明日から投資家になる」という話は、
机上の空論です。
 こうしたことを書くと、政治家や官僚が批判されるでしょう。
しかし、政治家や官僚は、自分の担当分野で、よく仕事をしています。
ただし、それが失敗の原因になっていることに気づいていないのです。
 全員が専門家になってしまうと、どうなるか。
たとえば、学者に、専門外のことを聞いてみてください。
「それは、私の専門ではない」と言うでしょう。
悪く言えば、専門バカになっています。
 政治家や官僚が、みんな、こうした専門バカになると、どうなるか。
これは、「木を見て森を見ず」となります。
つまり、日本が迷走するでしょう。
 もちろん、政治家や官僚にも専門家は必要でしょう。
しかし、それは一部で十分です。
多くの政治家や官僚は、物事を総合的に考えるべきです。

学問の価値 value of learning 2004 7 26

 20世紀の学問は、細分化の歴史でした。
それを、歴史学で説明すると、こういうことです。

 ある歴史家に歴史を尋ねたら、こう答えるでしょう。
「私は、歴史学が専門ではない。
世界史も専門ではない。
アジア史も専門ではない。
中国史も専門ではない。
中国の特定の王朝の歴史が専門である。
だから、私に世界史を聞かれても困る。」

 21世紀の学問は、統合化へ向かうでしょう。
バラバラにされてしまった学問を、再構築する時代となるでしょう。
 たとえば、歴史学で説明すれば、こういうことです。
中国の特定の王朝の歴史→中国史→アジア史→世界史→歴史学。
 歴史学の再構築。
つまり、歴史の運動法則の発見、歴史哲学の確立。

 これからは、「本当の学問」が復活する時代となるでしょう。
学問の価値がわかる時代となるでしょう。









































































































トップページへ戻る

News Idea Factory へ戻る